ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門㉛ 養生について~その8 日常生活の養生

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

日常生活の養生の③季節の養生の冬についてみていきましょう。

 

とは

11月7日から3月2日ころまでをいいます。

冬のキーワードとしては

“寒” “腎” “蔵”

です。

1つづつみていきましょう。

まずは“寒”から。

寒も中医学の6つの邪気の一つになります。

特徴としては

冷やす→陽気をやぶる

流れが滞り、縮こませる→凝滞・ぎょうたいといいます。

 

中医学では“不通則痛”(ふつうそくつう)といって、

流れが滞る=痛みになる

という言葉があります。

冷えにより滞ることで、身体に痛みが出てきます。

また筋肉や血管が縮こまると、手足がひきつったり血圧が上がったりします。

養生としては

冷やさないことです。

温めるものを摂ることもいいですが、

まずは身体を冷やさないことが大事になります。

とくに3つの首=首・手首・足首を冷やさないことが効果的と言われています。

首→マフラー、ネックウォーマー

手首→手袋、アームウォーマー

足首→丈の長めの靴下、レッグウォーマー

などを活用するといいですね。

また食べる時はなるべく温かいものを摂るように心がけてください。

冷たいものは極力さけて、冷めてしまったら温め直してたべるようにするといいでね。

つぎに“腎”

腎は生命を維持するエネルギーを貯蔵する(精を蔵する)ところです。

冬の間に腎は春に向けてエネルギーを貯めています。

また冬は寒くて汗をかくことが少ない季節のため、余分な水分の体外への排出は

腎による尿からがメインになります。

この二つのことからも冬は腎への負荷がほかの季節よりもかかるので

腎のケアが大切になります。

 

養生としては

身体を冷やさないこと。

黒い物をたべること。

黒い物は腎に効果的です。

黒ゴマ、黒きくらげ、黒豆などですね。

つづいて“蔵”

冬は“閉蔵”(へいぞう)と言われていて、

閉じて守る季節となります。

あまり動かずじっとして、

心を穏やかにたもち

春が来るまでエネルギーを身体の中に貯める(蔵・ぞうする)時期になります。

この過ごし方をあやまると、春になった時に陽気に身体がついていかず

冷えが発生したりすることがあるので

冬眠する動物のイメージで冬をすごしてみるといいですね。

 

養生としては

エネルギーを消耗する激しい運動はしない

新しいことを始めたりせず、心穏やかに過ごす。

ダイエットをするとエネルギーを貯められらくなるのでこの季節はさけること。

中医学的な冬のおすすめの過ごし方は

夜は早く寝て、朝は明るくなってから起きる

太陽が上がるまでは“陰”が強くて身体を冷やしてしまうためです。

明るくなる前に起きなければならないときは

部屋を暖かくしたりして身体を冷やさないように気をつけましょう。

ほかの季節より睡眠をたっぷりとる

汗をかくことはさける

汗をかくほど暖房をきかせ過ぎない。汗をかくと気も一緒に出て行ってしまうし、身体を冷やしてしまうためです。

 

『冬は頑張らないことが養生になる』

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。