ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門⑲ 五臓六腑について~その7 脾の不調

こんにちは。国際中医師、薬剤師が綴るゆるり中医学です。

 

今回は脾の不調についてお話したいと思います。

 

前回おはなしした脾のはたらきごとに不調がでたときにどんな症状がでるかみていきましょう。

 

1 飲食物の消化吸収を管理する(=運化・うんかをつかさどる)

 

このはたらきに不調がでた場合

症状:消化不良

  食後に眠くなる

  腹部がはる

  胃がもたれる

  胃に水がたまってちゃぷちゃぷする

  むくむ

 

こんな症状がでます。

昼食後に眠くなるのがあたりまえという人もいると思いますが

実は脾が弱っているサインだったりもするのです。

 

2 血が血管からもれ出ないとうにして運行させる(=統血・とうけつ)

 

このはたらきに不調がでた場合

症状:鼻血

  不正出血

  生理がだらだらおわらない

  アザができやすい

 

これは不調=血管から血がもれたと考えると理解しやすいですね。

 

3 内臓を持ち上げて、正しい位置で落ちないようにたもつ(=昇提・しょうてい)

 

このはたらきに不調がでた場合

症状:内臓下垂(胃下垂、子宮下垂など)

  脱肛

  めまい

  たちくらみ

  頭のふらつき

 

4 脾は口・くちびる・肌肉(=筋肉)・四肢にあらわれる

 

不調がでた場合

症状:

口→味覚障害、口の周りにふきでもの、口内炎

くちびる→色ツヤがなくなる

肌肉・四肢→筋肉がヤセおとろえる

 

味覚障害が脾の不調につながっているというのが不思議な気もすると思いますが、

これが起きることが脾と口が関連していることを示してくれていますね。

 

 

 

次回は4つめの臓腑の肺と大腸についてお話したいと思います。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。