ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門⑱ 五臓六腑について~その6 脾と胃のはたらき

こんにちは。国際中医師、薬剤師が綴るゆるり中医学です。

 

今回は3つめの臓腑の

脾(ひ)胃(い)

についてお話したいと思います。

 

まずは脾のはたらきから見ていきましょう。

 

1 飲食物の消化吸収を管理する

 

吸収した栄養物を脾が気・血・水に変えて全身に供給し、

同時に老廃物を排出します。

 

このはたらきを中医学のことばで

“運化・うんかをつかさどる”

といいます。

 

脾は胃と一体になってはたらき、

現代医学でいう消化系のはたらきにほぼ相当します。

 

2 血(けつ)が血管からもれ出ないようにして、血を運行させる

 

これを中医学のことばで

“統血・とうけつ”

といいます。

 

3 内臓などを持ち上げて、あるべき位置から落ちないように保つ

 

これを中医学のことばで

“昇提・しょうてい”

といいます。

 

内臓があるべき位置にいるのは当たり前のように思われがちですが、

内臓は正しい位置にいるためにも実は力が必要なのです。

 

4 脾は口・くちびる・肌肉・四肢にあらわれる

 

肌肉は“ひにく”とよみ、

身体についている皮や筋肉のことをさします。

また四肢は両手両足のことです。

 

 

つぎに胃のはたらきを見ていきましょう。

 

1 飲食物を受け入れる

これを“受納”といいます。

 

2 受け入れた飲食物の初歩的な消化をおこないます。

これを“腐熟”といいます。

 

次回は脾が不調になったときに出る症状についてみていきましょう。

 

最後までお読みいただいてありがとうございました。