前回のつづきの食事の養生のもうひとつの
②五味
についてお話していきましょう。
五味とは味を
酸・苦・甘・辛・鹹
の5つに分けたもので、
それぞれに作用があり、密接に関連する五臓があります。
ちなみに五味は味で区別するのではなく、
食材のもった効能ごとに決められています。
なので五味の分類と実際の味が合わないものもなかにはあります。
詳しくみていきましょう。
肝:酸味(さんみ)
作用 収斂(しゅうれん)・・・引き締めて、体液(汗や尿)が出過ぎるのを止める
止瀉(ししゃ)・・・下痢を止める
たとえば 梅、レモン、酢
心:苦味(にがみ)
作用 清熱(せいねつ)・・・身体の熱を外へ出す
燥湿(そうしつ)・・・湿を体外へ排出する
瀉下(しゃげ)・・・余分なものを便などで排出する
たとえば 緑茶、セロリ、ドクダミ、菊花
脾:甘味(かんみ)
作用 補益(ほえき)・・・気血を補う
緩和(かんわ)・・・脾胃を整える
たとえば 穀類(米など)、イモ類、豆類
肺:辛味(からみ)
作用 発散(はっさん)・・・悪い物、余分なものを身体からちらす
行気(ぎょうき)・・・気血の流れをよくする
たとえば コショウ、ネギ、生姜、にんにく、玉ねぎ
腎:鹹味(かんみ) ※塩辛い味のことです
作用 軟堅(なんけん)・・・しこり、イボなどの固まりを柔らかくする
潤下(じゅんげ)・・・宿便を柔らかくして排便する
たとえば 昆布、海苔、豚肉、わかめ、塩
いま自分が弱っているところがあれば、その臓の五味を意識して摂取するとよいでしょう。
しかし特定の五味を摂りすぎるとかえって逆効果になってしまうことがあるので注意が必要です。
たとえば身体の熱を外へ出そうと苦味のものを食べ過ぎると、身体が冷え過ぎてしまうことがあります。
さらに五臓への影響は苦味が属している心だけでなく、図の矢印の先にある肺にまで影響をあたえて肺=皮膚→皮膚の乾燥といった症状が
出てしまうことあります。
中医学では何事もほどほどがいちばんとされています。
そのことを心にとどめて食事を摂ってみるといいですね。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。