ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門㉑ 五臓六腑について~その9 肺の不調

こんにちは。国際中医師、薬剤師が綴るゆるり中医学です。

 

前回は肺と大腸のはたらきについてお話しましたが

今回はその肺に不調が起きた時にどんな症状が出ていくかを見ていきましょう。

 

1 肺は呼吸をにない、気を生み出す(=呼吸をつかさどる)

このはたらきに不調がでた場合

症状:

喉・呼吸に異常がでる

呼吸をするときにヒューヒュー・ゼーゼーする(喘鳴ぜんめいといいます)

鼻づまり

動悸

声が小さくなる

 

前回、肺は呼吸により取り込んだ新鮮な空気で生成しますとお話しました。

このつくられた気は身体の表面に広がって身体を防御する働きがあります。

これを“衛気・えき”といいます。

肺が不調になると、気が作られなくなり衛気が弱まります。

そうすると風邪をひきやすくなったりします。

冬で風邪やインフルエンザが流行る今の時期は特に衛気を高めたいので、

そのためには肺を強化する食材を摂るよう意識してみるといいですね。

 

2 肺は気や水を全身にいきわたらせる

(宣発・粛降をつかさどる、水道通調作用)

このはたらきに不調がでた場合

症状:

皮ふの乾燥

汗をかかない

風邪をひきやすい

むくみ尿がすくない

 

最初の3つが宣発が不調になった時に出る症状で、

下の3つが粛降が不調になった時にでる症状です。

 

また水道通調作用が不調になった場合、

余分な水分が身体に貯まり(これを痰飲・水湿といいます)

症状として:

喘鳴

鼻水

めまい

胃に水がちゃぽちゃぽたまる

吐き気

むくみ

などが出てきます。

いっけん関連性のない症状が並んでいるようにも見えますが

すべて余分な水が悪さをして出る症状という共通点があります。

勉強を続けていくと理解が深まっていくと思います。

 

 

3 肺は鼻・皮毛にあらわれる

皮毛は皮ふ・汗腺・うぶげのことでしたね。

症状:

鼻・・・鼻づまり、鼻水、味覚異常

皮毛・・・風邪、花粉症、皮ふの乾燥・痒み

   うぶげに光沢がない

   体温調節ができない

   汗がもれ出やすくなる

 

ここで花粉症が出てきましたが、花粉症や喘息などのアレルギーにも肺は関与しています。

なので冬の風邪対策から始まり、花粉症に向けて肺の強化を続けていると

春への身体の負担が軽くなることが期待できます。

 

肺の強化する食材は後日また詳しく説明しますが一例としては

れんこん・白菜・もやし・梨・大根

などがあげられます。

よかったら日々のお食事に取り入れてみてください。

 

次回は最後の臓腑の腎と膀胱になります。

 

最後までお読みいただいてありがとうございました。