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国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門51 弁証論治~その15 八網弁証

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

今回から診断の中の3つ目の弁証の

八網弁証

についてお話していきます。

八網弁証とは

四診で得られた情報を分析して

陰陽

表裏

寒熱

実虚

の8個の観点から病気を判断していく弁証方法です。

 

この8個の観点から何が判断できるかといいますと

陰陽→総合判定

表裏→病気の位置

寒熱→病気の性質

実虚→病気の勢い

です。

ひとつづつ見ていきましょう。

①表裏=病位弁証

病気の起きている位置で判断します。



表証→浅い部位

風邪の引き始め

皮膚病

など体の表面に病邪がとどまっている状態

 

裏証→深い部位

体の表面部分以外の深い部分の臓腑に病状が出た状態

※表証以外はすべて裏証と考えられます

 

ちなみに

半表半裏証→表証と裏証が入り混じっている病証

もあります。

出る症状としては

胸脇苦満(きょうきょうくまん)・・・脇から胸にかけてつまり感があったり、

                  張って苦しい感じがある

往来寒熱(おうらいかんねつ)・・・寒気(おかん)や発熱が交互に出現すること

口が苦くなる

口が渇く

めまい・吐き気・食欲不振

などがあります。

イメージとしては

風邪の治りかけでは熱が下がったと思ったのにまた夕方になると発熱する

といった例があります。

 

次は寒熱、実虚についてみていきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。