ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門㊴ 弁証論治~その5 四診:問診

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

今回も四診の中の

“問診”

についてお話していきます。

 

問診とは患者さんとの会話の中から情報を集めていく方法です。

集めていく情報は大きく二つに分けられます。

基本データ・・・性別、年齢、身長、体重、婚姻、住所、職業

         生活習慣、飲食について、既往歴、家族歴

現在の気になる症状、治したいところ=主訴(しゅそ)について

 

まず①基本データからみていきます。

こんなに詳しく聞くの?と思われるかもしれませんが

中医学では治したいところのみにフォーカスするのではなく、

身体全体を総合的に診ていく医学なので

ここまで詳しく聞くことが必要になってきます。

ちなみに住んでいるところまで聞くのは、

その人が寒い所に住んでいるか温かい所に住んでいるかで

対応が変わってくることがあるからです。

 

続いて②主訴ですが

ここで大切なのは主訴を聞く時に

いま現在

いちばん治したいところ

を確認することです。

お話を聞いていると、たとえば

「腰が痛いの。でも肩も痛くて、たまに頭痛もして。。。」

というように、どんどん症状が増えてしまい

それを主訴にしたらいいか分からなくなってしまうことがあります。

なので、まず患者さんと

なにを優先して治したいかを明確にする必要があります。

 

主訴が定まったら、次にそれに関するデータを集めていきましょう。

中医学には問診の際につかう

「十問歌」(じゅうもんか)

というものがあります。

 

一に寒熱を問う

二に汗を問う

三に頭身を問う

四に便を問う

五に飲食を問う

六に胸腹を問う

七に聾(ろう)を問う

八に渇を問う

九に旧病を問う

十に因を問う

 

この十問歌に沿って問診をすると

効率よく情報を得ることができるとされています。

しかし全ての人にこの内容を全部聞く必要なありません。

主訴に絡めて必要だと思う部分のみを聞くのですが、

慣れないうちは10個を全部聞いてから、必要なものを選んでもいいでしょう。

 

また女性であれば加えて生理についても聞くことが大事になります。

月経周期・期間

初潮

量・痛みの有無・塊の有無

PMS

閉経

について確認してみましょう。

 

次回は十問歌の内容についてみていきましょう。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。