ゆるり中医学~国際中医師が綴る生活に中医学を~

国際中医師、薬剤師が綴る中医学です。

中医学入門㊽ 弁証論治~その12 臓腑弁証3 “脾”

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

今回も臓腑弁証の続きの

についてみていきましょう。

 

のはたらき

運化

統血

昇提

<おもな証>

気虚 健脾益気 疲れやすい・食欲低下・食後にお腹が張る(=ベース)

脾陽虚 温中健脾 ベース+腹部の冷え、シクシク痛む・温めるとラクになる

         手足の冷え

寒湿困脾 温中健脾化湿 口がネバつく・体が重だるい・食欲低下(=ベース)

            冷えて下痢               ※白・透明             

湿熱困脾 清熱利湿 ベース+口が苦い              ※黄色

気虚 益気養胃 疲れやすい・食欲低下・少ししか食べれない

陰虚 滋補胃陰 胃がシクシク痛く灼熱感・口が渇く・お腹が減っても食べたくない

胃熱  清胃瀉火 胃の痛み・食べても食べたくなる・喉が渇く、冷たい物が飲みたい

胃寒  温中散寒 胃がシクシク痛い・温めたり食後にラクになる・手足の冷え

         ツバが多い

食滞胃浣 消食導滞 吐き気・吐くとラクになる・口臭が強い・食べれない

 

次は肺の証をみていきましょう。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊼ 弁証論治~その11 臓腑弁証 2

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

今回も②臓腑弁証の続きの

についてみていきましょう。

のはたらき

血脈

神明

 

<主な証>

気虚   疲れやすい・動悸・息切れ・汗だらだら 補益心気

心陽虚   疲れやすい・冷え  温補心陽

血虚   視力低下・肌のかさつき・不眠・夢が多い 補血安神

陰虚   視力低下・肌のかさつき・口の渇き・手足心の熱感

心火上炎  いらいら・口内炎  清熱瀉火

心血お阻  動悸・胸痛     活血化お

 

小腸実熱  口内炎・排尿痛   清心利水

次は脾の証をみていきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊻ 弁証論治~その10 臓腑弁証

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

前回までは番外編をお話していましたが

今回からは再び本編に戻り弁証のお話をしていきます。

 

診断:弁証の

②臓腑弁証

をみていきましょう。

臓腑弁証とは

肝心脾肺腎の各臓腑の状態を四診から集めたデータから分析して

今の時点の病変部位を判断して証を導く方法です。

 

五臓=肝・心・脾・肺・腎

六腑=胆・小腸・胃・大腸・膀胱

それぞれのはたらきについては

以前お話したブログの⑬~㉓を参照にしてください。

 

ここではまとめていきましょう。

 

のはたらき

疏泄

血を貯蔵する

<主な証>

<主な証>   <症状>              <治法>         

肝気うっ結 情緒不安定・無気力・つかえ感      そ肝解うつ

肝火上炎  いらいら・怒りっぽくなる・目の充血   清肝瀉火

血虚   視力低下・手足のしびれ・こむらがえり  滋補肝血

陰虚   手足心の熱寒、寝汗           滋陰養血

肝陽上亢  怒りっぽい・強い頭痛・めまい      滋陰平肝潜陽

肝内風動  めまい・けいれん・しびれ        平肝熄(そく)風

 

肝胆湿熱  脇の張ったような痛み・口が苦い     清熱利湿

次回は心の証をみていきましょう。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊺ 番外編~中医学スクールあれこれ2

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

今回も続きの番外編です。



最後に受講したのが

漢方養生指導士 上級講座

で週1回、3コマの授業を3か月受講すると

漢方上級スタイリスト

に認定されます。

内容としては

‘食薬養生’

についてをテキスト、ワークブックを使用して勉強していきました。

ちなみに食薬養生とは

食材でありながら効能を持ち、生薬としても用いられるもの(=食薬 しょくやく)

を日頃から取り入れて養生することです。

この講座では食薬ブレンドという

方剤の構成を参考にして、食薬を用いて

お茶ブレンド、薬酒ブレンドを作っていきます。

考えるだけではなく、毎回証に応じたブレンドを検討して

グループごとにお茶ブレンを実際に作ってみんなで試飲したりしました。

薬=病気になってから飲むものですが

お茶ブレンドは今の体調に応じて気軽に飲めるものなので

日常生活にも取り入れやすかったです。

そういった点では薬膳と近しいものがありますね。

そして自分だけでブレンドを作っていくと

同じ食薬ばかり利用して偏ったりマンネリがちになるので

同じ証でもほかの人が考えたブレンドが飲めるので

参考になったり、新たな発見があったりして楽しかったです。

 

ここまでで薬日本堂で受講した講座は終わりです。

私が受講した時から現在はコース名や認定資格の名称などが変わっているようなので

詳しくは薬日本堂のスクールのHPで確認してみて下さい。

現在はオンライン受講制度もあるコースもあるようなので、

さらに受講しやすくなっているようですね。

 

ずっと中医学をいちから勉強したいと思っていろいろなスクールを探していたのですが

1コースで週1回を3か月という通いやすさだったり

薬日本堂というお店をもともと知っていたこと

などの理由からこのスクールに決めました。

結果としてはテキストも分かりやすく、初めての中医学講座のとっかかりとしては

とても良い選択だったと思っています。

もし最初がこのスクールでなかったらここまで中医学を続けてこられたかなとも思います。

またこのスクールでは同じ中医学を興味をもつ方々と年齢を超えて知り合うことができました。

初級から始まり中級、上級、薬膳、臨床と受けられるコースはだいたい受けおわり、

フォローアップを受けたり、再受講したりとしましたが

まだまだ中医学を極めたいという思いがあり

別のスクールを探すことにしました。

また番外編の際にお話したいと思います。

中医学のスクール選びに少しでも参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊹ 番外編~中医学スクールあれこれ 1

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

今回は番外編です。

序章で中医学を学ぶにはどんなスクールがあるかお伝えしましたが

その中で最初に通った、

薬日本堂

についてお話します。

これからどんなスクールに通おうか迷っている方へ少しでも参考になればと思います。

薬日本堂にはいくつかコースがあります。

最初に受講したのが

漢方養生指導士初級養成講座

です。

週1回、3コマの授業を3か月受講終了すると

確認試験の受験資格が得られて、それに合格すると

漢方養生指導士初級資格

が認定されます。

内容としては初級なので

気血水

養生

陰陽五行説

五臓六腑

病院論

などを勉強しました。

次に受講したのが

漢方養生指導士中級養成講座

で、初級と同じく

週1回、3コマの授業を3か月受講終了すると

確認試験の受験資格が得られて、それに合格すると

漢方スタイリスト

に認定されます。

中級になると

診察法

診断法

治療法

薬物学

実践養生

という内容になり、

具体的な漢方方剤の内容や代表的疾患、使われ方を学んだり

ここで初めて弁証論治を使用した分析→処方への導をワークブックを使用して症例検討して、先生に添削してもらったりしました。

家族など身近な人に協力してもらい症例検討するのは、とても楽しかったです。

その次に受講したのが

養生薬膳コース

で週1回、3コマの授業を3か月受講終了すると

養生薬膳アドバイザー

に認定されます。

このコースは中級まで受講して中医学の基礎知識がないと受講できないことになっていて、私は当初は受ける予定はありませんでした。

しかし初級、中級と勉強していく過程に少し薬膳に触れる機会があり

ちょっと面白そうと思ったのと

薬膳の講師の先生の授業がとても面白くて、この先生の授業をもっと聞いてみたい

と思ったが受講のきっかけでした。

薬膳の世界は奥深く、食材ごとに効果効能を知るのはとても面白かったのですが

どの食材にも効果効能があるとなると、食事として組み合わさった時にどう考えたいいのか、と悩むこともありました。

でも毎日食べる食事から養生ができる

というのは薬膳を身近に感じることができました。

このコースでは

薬膳の原則、基礎知識

四季の食養生

弁証別の食養生

などの内容を学び、

時には各自が自分で考えた薬膳料理を持ち寄り、ランチパーティーのように楽しんだりする授業もありました。

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次は

漢方臨床指導士養成講座

を受講したのですが、これは10か月間の長期にわたるコースで

月2回、6コマと1日がかりなうえに

受講料も他のコースに比べると高額なためなかなか受講に踏み切れず

締め切りぎりぎりまで悩んだ結果、思い切って申し込みをしました。

ここでは漢方方剤と生薬について学びつつ

弁証論治を用いて分析→処方を導く症例検討のワークを毎回行うのですが

自分で書いてもっていくと先生が授業の中で添削をしてくれるので

毎回周りの人に協力してもらい症例検討を集めました。

この時に症例検討をたくさんできたことは、私の中でも中医学を学んだ自信に少しなりました。

10か月のコース終了後に認定試験を受けて合格すると

漢方臨床指導士

に認定されました。

このコースを受けることが薬日本堂で学ぶなかでも集大成という感じがあったのですが

実際に試験まで終わってみると、

前よりは漢方について中医学について深く理解したとは思いますが

まだ知識が1本の道でつながっていないというか

モヤがかかって分からないことが多かったのでこの後どうしようかと考えていました。

 

長くなってしまったので、続きは次回にお話します。

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊸ 弁証論治~その9 弁証:気血水弁証

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

前回まで診察:四診についてお話してきました。

今回から診断:弁証についてお話していこうと思います。

弁証には

①気血水弁証

②臓腑弁証

③八網弁証

があります。

 

それでは

①気血水弁証

からみていきます。

気血水弁証とは

気血水の状態を四診から集めたデータから

今の時点で気血水に病変があるかを分析して

証を導く方法です。

 

気血水についてとそれぞれのトラブルについては

以前お話しているので、詳しくはブログの③~⑧を参照にしてみてください。

 

ここではまとめてみていきましょう。

 

・生きる力のエネルギー

・人体に満ちているもの

・全身に栄養を与えるもの

・精神活動のもとになる物質

 

水(津液)

・内臓や髪、筋肉、粘膜などを潤して、

 関節をなめらかにするもの

次は②臓腑弁証をみていきましょう。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

中医学入門㊷ 弁証論治~その8 四診:切診

こんにちは。国際中医師、薬剤師の綴るゆるり中医学です。

 

四診の最後の

“切診”(せっしん)

についてお話していきます。

 

切診は患者さんに直接触れることで情報を得ていく診察法になります。

日本ではお医者さんなどの資格がないと患者さんに触れることができないため

切診については参考程度にみておいてください。

 

切診の中でも代表的な

「脈診」(みゃくしん)

についてみていきましょう。

脈診は手首の脈に触れて

脈のふれ方

力強さ

に応じて証を分けていきます。

正常な脈は

平脈といい

ひと息で4回以上、5回以下の拍数

脈が均等

なことをいいます。

 

ここから代表的な脈と証についてみていきましょう。

①脈の位置

②脈の速さ

③脈の力強さ

脈をとることで証が分かる、

これは中医学ならではの診断法ですね。

中医学の過去の臨床データをもとに理論的に整理されています。

本場中国では、腕を入れると脈を判定してくれる機械があると

授業で聞いたことがあります。

日本での血圧計のような感じでしょうか。

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。